文字書きの練習

文章を書く練習を兼ねて,自分の考えや日常の出来事を書き連ねたい

モダンジャンド紹介 ~メインボード編~

 

はじめに

この記事ではMagic: The Gathering (MTG)のモダンフォーマットにおけるジャンドについて、採用されている各カードの役割について紹介したいと思います。

 なお、採用カードやデッキリストについては2020年10月現在(ZNR環境)のものであり,カードの評価には初心者である筆者の主観が多分に含まれております。ご了承ください。

そもそもジャンドとは?

 ジャンドとは黒・緑・赤の3色のカードによって構成されるグッドスタッフデッキであり、モダンではそのカードパワーの高さやフェアスタイルの戦術から、古くからファンが多いアーキタイプとなっています。

 ジャンドが取れる主な戦術は、「手札破壊(ハンデス)・パーマネントの除去による相手への干渉」、「《タルモゴイフ》等のハイスペック生物によるビートダウン」、「《レンと六番》や《血編み髪のエルフ》等によるアドバンテージの確保」の3つであり、対戦相手のアーキタイプに応じてこれらのプランをどう組み合わせるかが重要となってきます。また、呪文の大部分が軽くて単体で(雑に)強いもので構成されているため、除去やハンデスで1対1交換を繰り返してトップデッキ対決になった場合は単体で強いカードがたくさん入っているジャンド側が有利になることが多いです。弱点としては、相手の手札やクリーチャーには対処できても土地には触りづらいため、《死者の原野》系デッキや緑トロンといった土地コンボに弱いという点が挙げられます。

 黒緑赤には優秀な除去呪文と生物が多く、デッキ構築の自由度が高いことから、カードの採用種類や枚数は人によって異なります。以降では筆者の現在使用しているリストを元に、各カードの役割や枚数について説明します。

 

デッキリスト

まずは筆者の使用しているデッキリストを紹介します。

 

土地 (24)

新緑の地下墓地 4

血染めのぬかるみ 3

樹木茂る山麓 1

草むした墓 2

血の墓所 1

踏み鳴らされる地 1

黒割れの崖 4

怒り狂う山峡 2

育成泥炭地 1

やせた原野 1

沼 2

山 1

森 1

 

クリーチャー (12)

タルモゴイフ 4

漁る軟泥 2

歴戦の紅蓮術士 2

血編み髪のエルフ 4

非クリーチャー呪文 (24)

レンと6番 3

ヴェールのリリアナ 4

コジレックの審問 4

思考囲い 2

致命的な一押し 2

稲妻 4

暗殺者の戦利品 2

コラガンの命令 2

大渦の脈動 1

 

サイドボード (15)

外科的摘出 1

墓堀りの檻 1

集団的蛮行 2

浄化の野火 3

疫病を仕組むもの 2

夢を引き裂く者、アショク 2

運命の神、クローティス 1

略奪 1

沸騰 2

 

カード紹介

長くなるので、各カードのテキストは割愛させていただきます。

土地編

《新緑の地下墓地》、《血染めのぬかるみ》、《樹木茂る山麓

 通称フェッチランド。ジャンドは3色の呪文で構成されるデッキで、時には2ターン目《レンと六番》(R)(G)から3ターン目《ヴェールのリリアナ》(B)(B)(1)など、厳しい色マナを要求されるシーンもあります。それに応えるのがこの3種のフェッチランドです。採用枚数は3種類合計で8~10枚が多く、森と沼を持って来ることが出来る《新緑の地下墓地》がほぼほぼ4枚採用されています。

 マナ問題以外にも、《レンと六番》で回収出来たり、《タルモゴイフ》のサイズアップにも繋がることから、積極的に採用していきたい土地となっています。

 

《草むした墓》、《血の墓所》、《踏み鳴らされる地》

 通称ショックランド、もしくはギルドランド。先述のフェッチランドからの主なサーチ先です。枚数は草むした墓が2枚、他が1枚ずつの計4枚、という構成をよく見かけます。これは3ターン目の《ヴェールのリリアナ》の黒マナ2つの確保や、ゲーム中盤以降は《漁る軟泥》の効果を複数回起動するために緑マナが多めに欲しいこと、赤黒土地は後述の《黒割れの崖》も入っているため、このような構成になります。

 

《黒割れの崖》

 通称ファストランド。土地が2枚以下の状態で置くとアンタップインします。ジャンドの1ターン目のアクションは手札破壊や《稲妻》などの除去構えで黒か赤マナを要求されるため、ショックランド以外のアンタップイン土地として採用されています。枚数は3,4枚で、筆者は序盤の自由度を高めたい(アクションのある状態で土地をタップインしたくない)、でもショックランドによるライフロスも減らしたいという我儘から4枚採用しています。

 ゼンディカーの覚醒のボックストッパーで、かっこいい新イラストと共に再録されました。

 

《怒り狂う山峡》

 通称ミシュラランド。マナを払えばクリーチャーになる土地です。打点が高く、お互いのリソースが枯れた状況でコイツだけが戦場を走り続ける、という光景も少なくありません。しかし、確定タップイン、黒マナが出ないことから採用枚数は2枚程度に落ち着いています。

 

《育成泥炭地》、《やせた原野》

 前者はキャノピーランド、後者はサイクリングランドと呼ばれるサイクルの土地で、両方ドローに変換できる土地です。一般的な採用枚数は育成泥炭地は1,2枚、やせた原野は0,1枚程度です。

 泥炭地はアンタップイン+緑黒マナが出せるので便利ですが、《やせた原野》はタップイン+黒マナのみ捻出可能なのであまり強くありません。しかし、《レンと6番》 とのかみ合いを考えると、泥炭地は土地のプレイ権を使ってドローに変換する必要がある一方、《やせた原野》は手札にある状態でドローに変換できます。どちらも一長一短なため筆者は散らして採用しています。

 

《沼》、《森》、《山》

 基本土地ですね。土地破壊や、《血染めの月》《流刑への道》対策、ライフを守るためフェッチランドからサーチするなど、必要となるシーンは結構多いです。数年前までは山が無いことも多かったですが、現在は沼が2枚、他が1枚採用されていることが多いです。

 基本土地のイラストは好みが分かれるところですが、筆者はUnhingedの森が好きです。イラストも良いしサーチする際にも見つけやすい。

 

クリーチャー編

《タルモゴイフ》

 通称タルモ。ジャンドといえばこいつ。「雑に強い」を体現したようなクリーチャーで、ジャンドの勝ち試合にはタルモが絡んでいることが非常に多いです。採用枚数は4枚。

 私は未来予知版のイラストが好みです。

 

《漁る軟泥》

 通称ウーズ。2マナ2/2とそのままでは貧弱ですが、起動型能力で墓地のカードを追放し、生物を追放した場合はサイズが上がりライフゲインまで行います。メインから無理なく入る墓地対策として、ジャンドの相手デッキに対する対応力を底上げしてくれます。墓地を利用するデッキ以外にも、クリーチャーを横並べするデッキ相手には、相手の墓地に溜まったクリーチャーを食べ続け、強固なブロッカーとライフを守る役割を同時に果たしてくれます。しかし、墓地のカードが少ない序盤にプレイしてもあまり強くないことから、採用枚数は2,3枚程度です。

 

《歴戦の紅蓮術士》

 通称は歴パイ、戦パイなど。モダンホライゾンで登場した一枚で、《若き紅蓮術士》が成長した姿に見える。能力、サイズ共に地味ですが、《レンと六番》で手札に溜まった土地をドローに変換、起動型能力と合わせてエレメンタルトークンでのチャンプブロックによる時間稼ぎ、手札が枯れた時に出すとデメリット無しの2ドローになるなど、ジャンドの縁の下の力持ち的なポジションにいます。

 強い場面も多いが、弱い部分もあるため、採用枚数は0~2枚程度。このカードについては記事が書けそうな気がするので、また後日長々と紹介したいです。

 

《血編み髪のエルフ》

 通称血編み、ちあみん。元禁止カードのパワーはすごい。続唱によるアドバンテージ、本体(3/2速攻)による相手プレインズウォーカー(PW)への奇襲など、八面六臂の活躍を見せる。続唱は血編みを唱えた時に誘発する能力なので、血編みが打ち消されても続唱呪文は唱えられる。逆もしかり。採用枚数は4枚、極まれに3枚のリストも見る。

 最近《時を解す者、テフェリー》を怒りながら攻撃している様子が良く見られる。

 

非クリーチャー呪文編

《レンと六番》

 通称レン6。ここまでで何回も名前を挙げたPW、実は女性。レガシー禁止の名は伊達じゃなく、《不毛の大地》がなくともその強さをモダンでも十分に発揮しています。このデッキでは彼女のプラス能力で回収した土地を、マナ伸ばし以外にも《ヴェールのリリアナ》による相手にとってのディスアドバンテージに変換できる。小マイナス能力も相手のマナクリーチャーを除去したり、終盤相手のライフを削ったりと結構便利。大マイナス能力は土地を火力呪文や手札破壊を連打することが可能となり、勝ちに大きく近づくことが出来る。しかし戦場に残った状態で複数枚引いても使い道があまりないので、採用枚数は2,3枚。

 もし仮にジャンドから1枚禁止カードを出すとしたら、4Cウーロなどでも利用されているこのPWになると思います。(でもやめてほしい。)

 

《ヴェールのリリアナ》

 通称ヴェリアナ。タルモと共にジャンドを代表するPW、実は女性。プラス能力でお互いの手札を締め上げ、マイナス能力で相手のクリーチャーを処理する。レン6同様、早い段階で出てきたこのPWは、倒すためにクリーチャーを出すと生贄にさせられ、手札にため込むとプラス能力で捨てなければならない状況に相手を陥れます。複数枚引いても捨てればよいことと、その危険さから相手に狙われ、戦場に長居することは少ないことから採用枚数は3,4枚が多いです。

 

《コジレックの審問》、《思考囲い》

 通称コジ審、囲い。黒の1マナハンデスで、打つことで相手のゲームプランを崩し、こちらのタルモやヴェリアナといった強い動きを押し付ける働きをします。コンボデッキ相手には序盤の干渉手段として非常に重宝します。採用枚数はコジ審4の囲い2、もしくは両方3枚ずつが多いですが、枚数を増やしたり減らしたりしているリストもあります。

 

《稲妻》

 通称ボルト。赤の火力といえばこの呪文で、クリーチャーやPWの除去から相手ライフを削るなどに用いられます。非常に汎用性が高いため、4枚採用されていることがほとんどです。

 

《致命的な一押し》

 通称プッシュ。低マナ域の生物を処理できます。稲妻に追加の除去呪文として入っていますが、微妙に効く範囲が違ったりします(《最高工匠卿、ウルザ》や《嵐の精体》など)。採用枚数は環境に応じて1~3枚程度。

 

《暗殺者の戦利品》

 通称トロフィー。2マナで土地でもなんでも割れます。アーティファクトやPWを問答無用で破壊でき、ジャンドの対応力向上に一役買っています。しかし相手の土地が伸びるデメリットが結構痛く、稲妻やプッシュで対応できるならばそちらを優先して使うため、採用枚数は0~2枚程度。

 

《コラガンの命令》

 通称コラコマ。4つのモードから2つを選ぶカードですが、どのモードも使い勝手が良く、アドバンテージ獲得につながる1枚です。クリーチャー回収はタルモや血編みを回収することで盤面維持に繋がり、手札を捨てさせるモードは相手の選択肢を狭め、アーティファクト破壊は《霊気の薬瓶》、《殴打頭蓋》といった厄介なパーマネントをメインボードから対処可能です。ダメージを与えるモードは《稲妻》同様、クリーチャーの除去や本体火力として運用できます。ゲーム中盤以降に引きたいカードなので、採用枚数は2枚であることが多いです。

 手札を捨てさせるモードはどのカードを捨てるのかの選択肢は相手にありますが、手札が1枚の相手に打てば選択肢がないようなものです。また、手札が0枚の相手のドローステップに唱えることで、多くの場合相手はドローしたカードをそのまま捨てなければならず、相手のターンをほとんど飛ばしたような状況になります。(もちろん引いたカードがインスタントであった場合は対応して唱えられますが。)

 

《大渦の脈動》

 通称パルス。土地以外なんでも割れます。ついでに同名カードも破壊します。トロフィー同様、クリーチャー以外の処理しづらいパーマネントを破壊するために採用されています。しかし3マナソーサリーと重いので採用枚数は0~1枚。

 

 

最後に

 少し長くなったので、サイドボードや、今回紹介しなかったカードについては次の記事で紹介したいと思います。本記事がジャンドを使用している皆さま、ジャンドが気になっている皆さま、MTGが好きな皆さまのお役に立てたなら幸いです。

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。